じいさんの元気の秘訣
どうしてじいさんはこんなに元気なのかと考えてみました。 食べ物なのか、水なのか、昔の人だから元気とか言う人もいます。 そうなると、大正12年生まれはみんな生きていることになります。 昔の人は元気だから。 しかしそんなことはありません。 現に、じいさんの同級生はみんな亡くなっているようです。 ではどうして元気なのか。 ここでは明良じいさまの元気な秘訣について考えてみました。
家族の愛情で元気になるって
だそうです。
愛情で生きているということでしょうか。愛情はすごいなと思います。
介護は過酷で大変です。いつでも24時間、365日、どんな時でも数年、数十年気にかけている。介護をされている人はいつでも休みなしの介護生活だと思います。
まさに僕もそれを経験しています。
エンドレスです。終わりのないトライアスロンみたいな感じではないかと思います。ゴールがないトライアスロンだったら、どこに良さがあるのかわからなくなるのではないかと思います。
ゴールした時の達成感がとか、そのときの瞬間がとても最高とかないトライアスロンが介護ではないかなとか思ったりします。
なので、どこの原動力で毎日24時間、いつでもという行動ができるのかということを分析してみると、愛情からという答えしか当てはまらないということが僕の研究結果のひとつでもあります。これだと答えに納得がいきます。
介護すること、これはまさに愛情だなと僕は思いました。
家族の愛を受けることになる。だから元気なのかなと思います。
僕と、ああだ!こうだ!と言い合うと元気になる。
明良じいさんは特殊かもしれません。
僕が5年間でみつけた明良じいさんが元気になる瞬間が、言い訳をする時です。
それまでは完全に認知症の老人なのですが、話をしているうちにみるみる顔つきも変化してきます。いい言い方をすれば、しっかりとしてきます。
わかりやすく言えば、文句を言う人です。
いわいるクレーマーです。僕は愛情をもって、じいさんと議論を重ねます。
どこかでみました。たしか本にも書いてあったと思います。90歳以上の老人が、ピアノの前まで介助されてやっとで座り、ピアノに手をおいたら驚くほどの手の動きと体の動きで見事に弾いてしまう。という老人がいたそうです。
明良じいさんの場合、ああだ、こうだの悶着が始まるとだんだんと顔の色が良くなってきます。
もう11時だから寝ようか。
なしけん。まだ寝らん。まだ早か。
いつもは何時に寝る?
いつでん、10時には寝るもんね。朝は6時。
今何時?
今、11時。いつでん11時すぎじゃん、寝るとは。
いやいや、10時には寝てたよ。96歳まで何十年もいつもそうやったよ。
いつでん、10時には寝るよ。なんでね
そうね。いま何時?
10時過ぎとるね、あら、おかしかね。時計が狂っとるとやろ。あんたがしたろ?
そうね。もう寝ようか・・・
というやりとりを、1時間ほどやって疲れて寝ます。
明良じいさん介護研究・分析まとめ
元気の秘訣はこのやりとりにあると僕は思いました。
これまでたくさんのやりとりをやってきてここに行きつきました。
ああじゃない、こうじゃない、と言って言い訳や怒ったりして議論していると、だんだんと顔色がよくなってきて、とても認知症とは思えないほどの言い訳、言い分が始まります。
こちらが返答できないようなことを言ってきたりします。
僕を論破しようと頭をフル回転させ反論してきます。
これが脳への刺激になって、消えていた電球がうっすら点くような感じになってきて頭が動き出すのではないかと思います。
こういうことを言う人は認知症が悪化しないのかもしれません。
あと、言い訳が上手い人。
まとめると、クレーマーは認知症になっても悪化しにくい。
ということもあるのかなと考えました。
明良じいさんの場合、認知症を悪化させないように議論を定期的にやると、ご飯食べてないといって怒ることが減るという僕の統計結果があります。