自宅で介護なら冷蔵庫は2つ必要
電気屋さんで冷蔵庫を買いに行くと、店員さんがいろいろと聞いてきます。家族の人数とか今ある冷蔵庫がどれくらいの大きさなのかと。
だいたい買い替えなので同じような容量の冷蔵庫になると思います。
僕たちの場合、特殊でした。だから店員さんは困ってありました。介護でもう一つ冷蔵庫が欲しいといっても意味がわからない様子でした。
それに、冷蔵庫を配達にきた若い人たちも、どうしてそんなとこに置くの?と不思議そうでした。
冷蔵庫が2ついる理由
はじめはもちろん、一つの冷蔵庫です。しかし、じいさんの認知症がだんだんと悪化してくると冷蔵庫に入れているものでトラブルが発生しました。
- 食べすぎる。
- 自分のものではい食材は全部捨てる。
- 冷凍庫の中身を全部出す。
というトラブルが頻繁に発生するようになり、僕らの食材がないという事態になったことから冷蔵庫を密かに買って、隠して使うという手段にでました。うまくいきました。
朝も昼も夜も、ご飯ばたべとらん!
朝起きて、必ずご飯を食べるのですが、食べ終わって食器を流し台に持っていくと、そこでリセットのようです。
数分後なんだか、不機嫌になります。
どうしたと?なんかいると?言うてみて。
あさめし!! くうとらんが! どげんなっとる!?(怒)
(通訳:朝ごはん、食べてないぞ!)
という感じに朝から不機嫌になります。
朝ごはんのかかりの僕が、朝ごはんも用意しないで、ぼーっとしているのですから怒りますよね。確かに、そんな時に「どうした?」とか聞かれたら、じいさんのように言いますね。
「さっきご飯は食べたよ。」と言っても聞きません。ご飯のことで、何度も何度も話ました。食べたという事実を淡々と説明しますが、聞きません。
最終的には、じいさんは僕がご飯を食べさせないと思いはじめます。
そんな明良じいさんなので、ほっとくことにしました。
すると、どうなるか・・・
冷蔵庫から取り出し、食べます。食べ終わると、10分くらいしてまた冷蔵庫へ行き食べます。そして、食べすぎて、下痢です。家の中は、下痢まみれの大騒ぎになります。べんまつりです。もう大変です。僕は戦闘服に着替えて待機です。
そんなことを何十回でしょうか、数えきれないほど繰り返し、僕は秘訣をあみだしました。それは最後に紹介します。
冷蔵庫の中身に僕らの食材もあります。息子がいまして、まだ小さかったので子供用の食材や冷凍食品などを入れさせてもらっていました。僕たちが出かけているうちに、自分のもにおではないので、これを全部出してゴミ箱行きです。
これも何度も繰り返すことになり、冷蔵庫がもうひとつあれば、この問題は解決するのではないかと考えました。食材の費用もかかるし、毎回捨ててしまう費用と手間とストレスを冷蔵庫代と比較すると安いものだと分析しました。
そうやって、冷蔵庫が2つになると、この問題は解決できました。僕たちの食べるものは無事です。
あと、そうでした!冷蔵庫が同じの時、僕らのご飯やおかずなどをラップで入れていると、なぜかじいさんラップを外して、指で突いて味見をしていました。全てのラップが外れているのでなぜかなと思い、カメラで確認すると全部確認していたようです。
最後に、おかげさまであみだした秘訣がこれです。
- ほっといてみまもる。
- それをネタに入院という。
下痢をして、家中、廊下やソファーやベット、ほぼ家の中全てが下痢まみれになりました。じいさんは自分でなんでもする、したい人なので自分でできると思い、処理をしようとして逆にあちこち汚してしまいます。
ひととおり、自分でやってもらって、綺麗にならないので、じいさんは助けを求めてきます。じいさんはここまでならないと、自分でするからいいと言って怒ります。だからそっとみまもりです。廊下やトイレがベロベロになりますが、じっと辛抱です。
なんかいこの下痢騒動を経験したでしょうか。覚えていません。しかし、そのおかげで秘訣をみつけました。なのでかなりの回数だと思います。何度も繰り返しにコツコツと体験していると、何かが見えてくると言います。まさにこれです。
この下痢でじいさんも、きついし大変な思いをします。
下痢の現行犯の時に、はじめのほうは、じっとして〜とか、僕らがするから何もしないで!と言っていました。ずっと。
しかし、ご存知の通り、明良じいさんは人の話を3秒しか聞きません。さらに認知症が悪化してくるとまったく聞いていません。風の音くらいにしか認識していません。しかし、僕は経験と分析によって、明良じいさんが聞く話ができるようになったのです。
家中が下痢まみれで下痢現行犯の時に、僕はじいさんにこう言います。
あらら、だいじょぶね?下痢やらかまずいね・・・
まにあわんやった・・・いつもは、こげんならんばってんが・・・
いやそれはいつもやん。下痢よ下痢、みてん。大丈夫?
いつでんこげんじゃん。
いやいや、おかしかろ。病院に行かなんよね。どうするじいさん。
大丈夫。病院はいかんでよか。
下痢はすぐに病院に来てくださいて言われてるとよ。
じいさんは現行犯で捕まった人のように、言い逃れができない状況になります。というより、言い逃れできない状況にします。すると、だんだんと勢いがなくなってきます。体中下痢まみだし、家中下痢まみれなので素直なじいさんになってきます。
こなってくると、じいさんは話を聞き始めます。
なんでこなったのか。
僕は説明をします。
ご飯の食べ過ぎでこうなっているなら、病院に行かなくていいけど、もしそうではないなら下痢だから病院で検査して様子をみてもらわないといけない。それには入院やね。1週間くらい入院して帰れたらいいけどね。
病院に行きたくないので僕に従うといいます。
これでやっと、食べ過ぎを防ぐことができるようになりました。
下痢も減りました。