今日が最後かもしれないパート2
いつも深夜です。息が荒くなってきて呼吸がおかしくなってきます。初めての時は焦りました。いまでは慣れきて、じいさん、まだいかないだろう、まだ大丈夫な範囲内だなと思います。経験は何よりも勝るということがこのことだと感じました。
この呼吸のしかたはまだ大丈夫だな という根拠などない自信が出てきました。
なんだかじいさんの声が聞こえるきがしてきます。
まだ、大丈夫・・・と。
そういえば、ほぼ毎日でした。
じいさん大丈夫?と聞くと。
どんな時も、何があっても
大丈夫。
と言います。
呼吸が苦しそうな時でも、
腰が痛くて起き上がれない時でも、
ベットがべんまみれで大変になっていても
大丈夫といいます。
こんなことがありました。何回も。多い時で、2日に一度のペースでした。
家のどこにいても、重厚感のある(重々しさがあり、ちょっとやそっとの力では動じない感のあるさま。)の香りが漂いあきらかに大変なことになっていると想像できる香りです。部屋に入ると、どうしてそんなとこにつくのだろうかと不思議になる位置にしっかりとべんがついています。
汚している、じいさんを責めたくなる自分がいましたが、綺麗好きの明良じいさんも不本意だと気づきました。こんなはずではなかった・・・と僕もそんな時がくるのではないだろうかと。
ですが、誰のせいかとなります。誰かのせいしないとやってられません。
僕は、わかりました。みなさんきっと、これには気付いてないと思います。
妖怪の仕業です。悪霊です。
じいさんとのやりとりを何度も繰り返しているうちに、ここに辿り着きました・・・
これは妖怪の仕業だと。
そして助言をいただいたのだと思います。
『除菌スプレーを使いなさい、香りを消すことができますよ』 と。
本当に消えているかどうかわかりませんが、重厚感ある香りを嗅いだあとなのでそうなります。
毎回、こんな会話です。
じいさんのきている服も黄金色になっていて、手にはべっとり妖怪が・・・
げりした?大丈夫?
大丈夫。下痢はしとらんばってんね!
布団も服にもついとるよ。手も。じいさんじゃないなら誰がする?
そうかねついとるかね?誰かきたっちゃろか?わからんね・よごれとるかね?
なら、掃除はせんでいいかね?
じいさんが頑なに汚れていることを認めないので聞いてみたことがあります。
うんにゃ、掃除はせなん。
今からするけん、起きて部屋から出れるやか?
しょんなかね、そんなら。おきらなんたい。
という感じで、いつもなら時間のかかる起きる行動が素早いのです。
僕も慣れてくると素早く掃除ができるようになってきて、そんなに大変ではありません。
僕は除菌アルコールの匂いが苦手なのですが、この時ばかりは、高級な香水ではないかと思うくらい除菌アルコールが好きになります。
妖怪のしわざです。
じいさんは決して自分ではないといいます。
そうだと僕も思います。
おそらく、妖怪がじいさんと僕の絆を試すためなのかこんなことやってきたのでしょう。
家族の絆をためされているのです。本当にそうかどうか、分かる瞬間かもしれません。
僕はこんなことも思いました。
僕とじいさんはよく似ています。考え方が似ています。となると、僕の未来はじいさんのようになるのか?と思うことがあります。いや、そうはなりたくいない・・・
人間の脳は、意識の強いほうを優先するということを聞きました。
そうなると僕も同じようになるということです。
じいさんをみていて、これは将来の僕の姿なのではないか?と思うようになりました。
妖怪におそわれた僕なのです。下痢をするはずがありません。ベットを汚すはずがない。
僕が明良じいさんだったらと思うと、たいていのことはできるようになりました。
スーパーナチュラルという海外ドラマで研究しているのですが、こんな妖怪はまだ出てきていません。
とにかく、最後の方は、
じいさん、妖怪きたよ。退治せんと!いかんばい!
そうかね、そんなら、おきろかね・・・どうも、どうも!
という感じで、今思えばじいさんと二人で何をやっていたのだろうかと思います。
それで、今日はそうです。
今日が最後かもしれないと思ったという話でした。
家で最後を迎えたいという、じいさんは2023年11月22日に退院してから今日は2023年12月28日です。
2023年の一年間は、一ヶ月家にいたことはありません。入退院を繰り返していました。
最高新記録です。家に一ヶ月います。
なんども息がとまりそうになるのですが、
じいさん、大丈夫?と声をかけると、
大丈夫!
という感じに、息をします。
今日が最後かなといつも思いますが。
まだです。
いつも、まだです。
明良じいさんのいいかたでいくと、
まだ、よか、よか、、、
です。
以上、ご報告になります。